官製談合事件を受けた新潟県の入札改革(2/2)

前回のブログは、こちらです。
少し時間が経ちましたが、今回の改革について個人的なコメントになります。

一般競争入札の対象拡大でどのくらい影響がありそうか、令和5年度のデータで確認しようかと思い、県のウェブサイトを閲覧しました。しかし、予定価格で区切った検索ができなかったので、残念ながら現時点では具体的な数字での検証は困難です。まぁ、どうしても知りたければ情報公開請求をするという手もありますが。。。

次に、今回の契機となったのは、新発田地域振興局の農村振興部長が情報を漏らしたという事件が発覚したことです。一般競争入札の対象範囲拡大がシステム的にこのような事件の抑止策として機能するでしょうか。
個人的には、無理だと思っています。なぜなら、予定価格や入札参加予定業者は、部長ともなれば決裁権者として(あるいは、途中の確認者として)知りうる情報だからです。そのため、類似の事件が再発する「可能性」は消えていないということです。知事が事件発覚後に幹部を対象に行ったコンプライアンス研修も、それはシステム的な抑止策にはなっていないですしね。

では、今回のような事件でシステム的に抑止するとなると何が考えられるでしょうか。色々挙げられると思いますが、すぐに思いつくものとしては、
1)一般競走入札に参加を希望する者について、入札参加資格を事後審査とし、県の職員は開札するまで参加希望者を電子入札システム上見えなくする(=誰が入札に参加するのか漏らすことが不可能)
2)予定価格は、設計価格をもとにコンピュータがランダムに決定する
3)入札後に予定価格を決定する
などなど。
ただ、2)、3)は、対策としては問題もあれば、抑止策としても詰めが甘いでしょう。

記憶は定かではありませんが、事件発覚当時、県の幹部が事件への制度的な対応は困難という発言をしたように思います(新聞記事)。今回の改革は、この発言を裏付けるような内容であるというのが現在の印象です。
しばらくは入札結果にどのような影響があるか見ていく必要がありそうですね(特に、入札に参加する建設業者さん)。